2016.07.15更新

遺言書を作成している人は、どれくらいいるのでしょうか。

公正証書遺言の件数でみると、平成26年の一年間に作成された遺言は、10万件を超えました。

およそ10年前には7万件弱だったことを考えると、増加傾向は著しいと言えるでしょう。

 

遺言書を作成すべきと強くおすすめする人にはパターンがあります。

まずは、同族経営の会社を営んでいる場合。跡継ぎに株式や事業用地を取得させる必要があります。

また、子どものいない夫婦で、どちらかあるいは両方に兄弟がいる場合。夫あるいは妻が亡くなった場合、その配偶者の生活のためには、配偶者がすべて相続する必要がある場合があります。すべて配偶者が相続するとの遺言書があれば、兄弟には遺留分はありませんので、残された配偶者の生活も安心です。

 

では、その他の人には遺言書は関係ない話かというと、そうでもありません。

実際に、相談に来られた方などに話を聞いてみると、遺言書を作成されている方はあまり多くはないようです。

一部の金持ちの話として、他人事のように感じている方も多いように思います。

 

一時期騒がれてだいぶ知られるようになりましたが、相続税法改正により、相続税はより多くの方を課税対象とするようになりました。

具体的には、今までが

5000万円+1000万円×法定相続人の数

だった相続税の基礎控除額が、

3000万円+600万円×法定相続人の数

に引き下げられたのです。

※この改正は平成27年1月1日以後に開始された相続について適用されます。

 

基礎控除額を超える遺産がある場合、基本的には相続税が問題になってきますから、たとえば、夫婦と子供1人の家庭で夫が亡くなった場合、4200万円の遺産があれば、相続税が発生するということになります(ここでは、税軽減のための各種特例は無視しています。)。

首都圏近郊に不動産を所有し、ある程度の預貯金がある家庭であれば、相続税が発生する可能性があるということです。

 

相続税が発生し、それだけ「手取り」の遺産が目減りするということは、分けるべき遺産が目減りするということです。争いの種が増えてしまうかもしれません。

また、遺産の多くが不動産で、不動産を相続した人が相続税を納められないという場合もあるでしょう。そのような事態を回避するために、不動産だけでなく預貯金も相続させるようにするとか、相続税分の生命保険を確保するとか、対策が必要になってくるかもしれません。

 

遺言書は、残された家族のための思いやりの手紙です。

ぜひ一度、検討されてはいかがでしょうか。

 

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

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