2016.06.04更新

相続の際、よく問題になるのが特別受益です。

 

特別受益とは、ある相続人が、被相続人が亡くなる前に、被相続人から贈与などを受けた場合、それを遺産の前渡しと考えて取り分から減らそうという考え方です。

 

民法903条1項という条文には、次のように定められています。

「共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。」

 

何やら難しいことを書いているように見えますが、「婚姻」という言葉に着目する相続人がいらっしゃるかもしれません。

 

そういえば、お兄さんの結婚式のとき、お父さんから結婚式の費用を出してもらってたよね、と。

では、お父さんが亡くなって遺産分割をするとき、お兄さんがもらった結婚式費用は、この条文によると特別受益にあたるんじゃないの、と。

 

ただ、盛大に海外挙式をするということで、親族一同何十人もの渡航費用・宿泊費に加え、分相応に豪華絢爛な結婚式を開いて、一千万円も出してもらいました、

などという事情があれば別ですが、最近は親が子どもの結婚式費用を援助することは多くありますよね。

単純に、結婚式費用を親が援助したからといって、一概に特別受益だと即断することは難しいと思います。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2016.06.03更新

遺産分割の調停を、すでに当事者ご自身で何回か進めているが、なかなか思うように進まないということで相談にみえる方がよくいらっしゃいます。

 

みなさんが共通しておっしゃるのが、

「調停委員が相手方に強く言ってくれない」

「調停委員が相手方の味方をしているような気がする」

「調停委員が親身になってくれない」

などなど、調停委員会に対する不満です。

 

もちろん、なかには残念な対応をされる調停委員もいるのかもしれません。

ただ、往々にして、このような不満は、調停委員会と当事者が、それぞれ調停で目指しているものが違う、ということが原因のように思います。

 

調停委員会は、今ある遺産を法定相続分どおりにわけることに主眼があります。

 

対して、当事者は、遺産分割調停で過去のことを問題にします。

いわく、

「もっと預金があったはずだ」

「お兄さんは、昔、大金をもらっていたはずだ」

などなど。

 

もちろん、なかには法的に組み立てられる言い分もありますが、なかなか法的に整理しづらい言い分であることもよくあります。

そのようなときに、調停委員会はスムーズに調停を進めようとしますが、その真意がうまく伝わらず、当事者はその対応に不満をもつのだと思います。

 

また、調停委員会は、審判官と違って判断する仕事をしているのではありません。

あくまでも、当事者の話し合いを仲介して、うまく解決に導くのが仕事です。

明らかに一方当事者がおかしなことを言っていればまた違うのかもしれませんが、基本的には当事者の言い分を批判せず、ときには他方当事者の理解が得やすいように言葉を選んで、伝えます。

当事者同士、意見が対立しているわけですから、一方当事者の言い分を伝え聞いた他方当事者は、憤慨することもあります。

そして、なぜ調停委員は、あいつの言っていることをそのまま鵜呑みにするんだ!!

と、なることが多いように思います。

 

こうして疑念を抱いてしまうと、調停委員会を信頼するのが難しくなるでしょう。

そうすると、手続きの流れもスムーズに、とはいきづらくなります。

 

調停をうまく進めるには、調停委員会を味方につけるのもポイントになります。

 

いま、調停委員に不満を持っている場合も、それが単に誤解にすぎないのかどうか、それを見極める手段として、弁護士への相談を利用してもよいかもしれません。

 

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2016.06.02更新

遺産分割の方法には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割があります。

 

このなかの代償分割というのは、相続人のひとりが法定相続分より多めの遺産を取得した場合、その多すぎた分を、他の相続人にお金(代償金とよびます)で支払うという分割方法です。

 

たとえば、お父さんが亡くなって、相続人にお母さんと子ども1人がいるとします。

遺産は、お母さんが住む家だけです。

この場合、法定相続分はお母さんと子どもが2分の1ずつです。

 

お母さんとしては、自分が住んでいる家がなくなるのは困るわけで、家を相続したいと希望します。

ただ、その場合、他に遺産はないわけですから、お母さんが家を相続してしまうと、子どもはまったく遺産を相続できません。

そのぶんを、お母さんが子どもに代償金として支払うという方法です。

 

では、お母さんが働いておらず、貯金もない場合にも、代償分割はできるのでしょうか。

 

この場合、裁判所としては、お母さんに十分な資力があるか確認しようとします。

場合によっては、預金通帳のコピーなどを提出させることもあります。

あるいは、代償金の支払担保のために、家に抵当権を設定することもあります。

 

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

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