2017.07.24更新

不動産を相続人に相続させる、とした遺言がある場合、指定された相続人は、他の相続人の協力を得ることなく、単独で相続登記をすることができます。

そうすると、相続登記をした不動産は、所有権を第三者に自由に売却することができます。

 

仮にその不動産に、他の相続人が居住していたとしても同様です。
(もちろん、そのような不動産を買う人がいるのかというのは別問題です。)

 

遺言が実は無効なものであるとか、遺留分があるので不動産の持分があるとかの事情があったとしても、売却先がそういった事情を知らない限り、不動産を取り戻すことは原則できません。金銭解決ができるかどうかです。

 

では、不動産に居住している相続人としては、上記のような不動産の権利を確保すべき事情がある場合に、何も対策を講じることはできないのでしょうか。

 

方法としては、法定相続分で相続登記をすることが考えられます。
これにより、不動産は法定相続人の共有状態となる登記を具備できます。


仮に、遺言で指定された相続人が遺言に基づき自らへの単独の相続登記をしようとしても、既に他の相続人の持分が登記されているので、他の相続人から協力を得るか(実印+印鑑登録証明書)訴訟で判決を得るしか方法はなくなります。

 

このような事案では当然訴訟に移行することが見込まれますから、訴訟が提起された後で、遺言無効や遺留分の主張をする時間的猶予が生まれます。

 

当事務所では、こうした相続の保存登記も提携している司法書士と連携して行い、その後の不動産の権利行使へとスムーズに移行することが可能です。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.21更新

遺言書を作成していなくても、民法には法定相続人や法定相続分の定めがあります。
したがって、法律上の婚姻関係にある配偶者や子どもは、法定相続分や最低限遺留分が保証されることになります。



しかし、事実婚や内縁関係など、実態は夫婦に近しい関係の男女間や、同性婚、LGBTのパートナー同士については、民法に明記されていません。

したがって、パートナーに遺産を残したいと考えた場合、遺言書の作成が必須ということになります。

 


ただ、この場合も、法定相続人である遺族には遺留分が保障されており、遺留分の行使を防ぐことはできません。
すべての財産をパートナーに遺贈する内容で遺言書を作成する場合には、生命保険金の手配も同時に検討したいですが、親族関係にないパートナーを受取人として許容するかどうかは保険会社によって方針が異なるようです。



仮に、亡くなったパートナーの遺族と、残されたパートナーとの関係も良好で、遺産分けに遺族が同意したとしても、法定相続人でない以上は、「遺産分割」という手続で処理することができません。

 


法定相続人である遺族のみで遺産分割を完了させた後、残されたパートナーには贈与する形にならざるを得ないので、パートナーには多額の贈与税が課されてしまいます。


他方、遺言書でパートナーに遺贈すると明記していれば、相続税を納付することになるので、贈与税と比較すればはるかに税率は低くすみます。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.20更新

こちらでは、【終活】シリーズとして、遺族が相続を巡ってトラブルになりがちなことを解説しています。

 

遺言を書く、というのは、相続対策としてよく知られるようになりました。

しかし、何も考えずに中途半端に遺言を書いたとしたら、円満相続どころか、遺言の解釈をめぐってさらなるトラブルを招くことになりかねません。

 

中途半端な遺言になってしまう例は、やはり、残念ながら自筆証書遺言に多いように思います。

そのなかでも、自筆証書遺言を巡りかなり長期のトラブルになってしまった例を紹介します。

 

遺言者は不動産を何十件と所有していた地主で、子供も多くいました。

資産家ならではなのか、遺言を書かなければという意識はあったようなのですが、子供1人につき1枚の遺言を手書きし、それぞれの子供への遺産わけを試みました。

(このような遺言の書き方は、一部滅失の可能性を考えるとオススメはしませんが、内容に矛盾がない限りは一応有効です。)

 

いざ相続が発生し、遺言の内容を確認したところ、不動産の地番や地積が異なっている箇所が多くあることが判明しました。

子供同士が仲が良く、故人の意思をくみとってうまく話し合いできればよいのですが、そうでない場合には大変です。

不動産が特定されておらず、一部無効を争われる余地を生んでしまいます。

この場合、地番、地積の相違が遺言の効力にどう影響するかは、遺言書の他の土地の所有状況や、相続させようとした土地の性質など具体的な事案により異なります。

 

不動産を含む遺言を作成するときは、登記簿の記載に忠実に行うことは同然ですが、その後、分筆や区画整理などで登記簿の記載に変更があった場合にもしっかりと対応することが必要です。

登記簿の記載に忠実に、という意味では、弁護士などの専門家に依頼したり、公正証書遺言を活用することも考えられます。

 

遺言は、一度作ったからといってそのままにせず、定期的に内容の見直しを行うことが肝要です。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.20更新

終活という言葉を当然のように聞くようになりました。

お墓を探したり、生前に葬儀プランを準備しておくことはもとより、相続対策に向けたセミナーなどもよく開催されているようです。

 

このカテゴリーでは、

【終活】争族を避けるために

と題して、多数の相続事件に弁護士として関わってきた経験をもとに、何がトラブルのもとになってしまうかを紹介していきます。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.19更新

訴訟指揮、っていうとオーケストラの指揮者みたいでキレイな響き…?かもしれませんが。

語弊を恐れずざっくり言うと、当事者の主張を整理したり、説明を求めたりして訴訟の進行をスムーズにするよう裁判官がコントロールすることを言います。

 

双方当事者に弁護士がついていればまずないのですが、本人訴訟の場合など、書面をよんでも何が言いたいのか、何を請求したいのかわからないことがあります。

そんなとき、通常であれば、裁判官のほうから、これはどういう主張なんですか、と質問してみたり、このままだと法的には成り立たないので検討してみてね、とかコメントがあります。

(あんまりやりすぎると一方当事者への肩入れと思われてしまうので慎重にコメントする裁判官が多いです。)

 

でもたまに、何言ってるのか全然わからない書面なのに全くコメントせず、そのまま判決まで進めてしまう裁判官もいます。

 

原告が本人訴訟(弁護士をつけず本人でする訴訟)で、訴状の内容がチンプンカンプンだったりすると、認否のしようもなかったりするので、非常にやりづらいです。

もちろん、被告の立場でどういう趣旨か聞くこともできますが、対立する弁護士から質問されて素直に答えてくれることも少ないですよね。

 

何言ってるのかわからない訴状だから、このまま棄却判決出しちゃいます、ということなのかもしれませんが、そういう方は敗訴すると当然のように控訴するんです。

すると結局解決まで時間がかかってしまうので、被告の立場からしても、原告のわけのわからない主張もしっかり解明したうえで、棄却判決を出して欲しいと思います。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.18更新

遺言書には色々な種類があります。
公証役場で作成される公正証書遺言、全文手書きで作成される自筆証書遺言がその代表例です。

 

このうち、自筆証書遺言の場合は、裁判所での「検認」という手続が必要となります。遺言が封筒に入っていなかったとしても、検認が必要になります。

 

検認手続が終了すると、裁判所が遺言書に検認済証明書をつけてくれます。金融機関などで相続手続きをする際にも、この検認済証明書や裁判所が作成した検認調書謄本を要求されるのが通常です。

 

検認の手続自体は、とてもシンプルです。
遺言者と相続人がわかる戸籍謄本等を準備して申し立てれば、他の家事事件に比べると早い時期に期日が指定されます(とある支部の家裁で、申立てから10日後に期日が入った例がありました。)。

 

申立後は、裁判所から各相続人に検認期日が開かれる日や法廷の場所等が記載された通知書が届きます。
相続人が出席するかどうかは自由ですが、欠席する際には、欠席理由をたずねる運用をしている裁判所もあるようです(このあたりは裁判所によって違います。)。

 

期日では、裁判官と書記官が対応します。
裁判官が、申立人に、遺言書を発見したときの状況や、遺言書の筆跡、印が遺言者のものかどうかを質問していきます。
また、相続人にも、筆跡や印につき確認していきます。

 

ただ、検認期日は、遺言書の有効・無効を争う場ではありません。

あくまでも、原状の遺言書の形状を保全・確認することを目的としています。
したがって、検認期日の場では、あまり血気盛んに遺言書の偽造を訴えても意味がないことになります。
もし偽造が疑われる場合には、シンプルに、遺言者の筆跡ではないことを伝えればそれで足ります。本格的に争うのは別の手続になります。

 

時間としては、15分程度で終了することが多いようです。
申立人は、期日当日、遺言書の原本を持参しますが、期日後に裁判所でコピーをとりますので、少し時間にゆとりを持っていたほうがいいかもしれません。

 

なお、この検認期日にも弁護士が出席することは可能です。

遺言の内容をのちのちの遺産分割手続で争う必要が出てくる場合などは、私もなるべく相続人ご本人と同行するようにしています。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.18更新

遺言書には色々な種類があります。
公証役場で作成される公正証書遺言、全文手書きで作成される自筆証書遺言がその代表例です。

 

このうち、自筆証書遺言の場合は、裁判所での「検認」という手続が必要となります。遺言が封筒に入っていなかったとしても、検認が必要になります。

 

検認手続が終了すると、裁判所が遺言書に検認済証明書をつけてくれます。金融機関などで相続手続きをする際にも、この検認済証明書や裁判所が作成した検認調書謄本を要求されるのが通常です。

 

検認の手続自体は、とてもシンプルです。
遺言者と相続人がわかる戸籍謄本等を準備して申し立てれば、他の家事事件に比べると早い時期に期日が指定されます(とある支部の家裁で、申立てから10日後に期日が入った例がありました。)。

 

申立後は、裁判所から各相続人に検認期日が開かれる日や法廷の場所等が記載された通知書が届きます。
相続人が出席するかどうかは自由ですが、欠席する際には、欠席理由をたずねる運用をしている裁判所もあるようです(このあたりは裁判所によって違います。)。

 

期日では、裁判官と書記官が対応します。
裁判官が、申立人に、遺言書を発見したときの状況や、遺言書の筆跡、印が遺言者のものかどうかを質問していきます。
また、相続人にも、筆跡や印につき確認していきます。

 

ただ、検認期日は、遺言書の有効・無効を争う場ではありません。

あくまでも、原状の遺言書の形状を保全・確認することを目的としています。
したがって、検認期日の場では、あまり血気盛んに遺言書の偽造を訴えても意味がないことになります。
もし偽造が疑われる場合には、シンプルに、遺言者の筆跡ではないことを伝えればそれで足ります。本格的に争うのは別の手続になります。

 

時間としては、15分程度で終了することが多いようです。
申立人は、期日当日、遺言書の原本を持参しますが、期日後に裁判所でコピーをとりますので、少し時間にゆとりを持っていたほうがいいかもしれません。

 

なお、この検認期日にも弁護士が出席することは可能です。

遺言の内容をのちのちの遺産分割手続で争う必要が出てくる場合などは、私もなるべく相続人ご本人と同行するようにしています。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.12更新

仕事柄、連日(といったら大袈裟ですが)多くの法律相談を受け、多くの方とお会いします。

初回の法律相談から1ヶ月以内程度であれば、お名前だけでも記憶がリンクするのですが、お恥ずかしい話、それ以上の期間が空いてしまうとすぐに思い出すことは難しいです。

 

でも不思議なもので、法律相談のときの手控えを見返すと、法律相談のときのやりとりや、その方のお顔まで蘇ってきます。

名前ではなく、事案の概要で記憶の紐付けをしているんだろうと思います。

 

医者も、再来の患者さんの名前だけじゃわからないけど、カルテをみるとどういう人だったか思い出すそうです。

(すべての医者がそうというわけではないでしょうが)

 

人の悩み事を診るという意味では、共通した紐付けをしているのかもしれないですね。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.11更新

弁護士PHONEという制度をご存じですか?

 

東京弁護士会が2年ほど前から始めた無料で弁護士に電話相談できるサービスです。

時間は15分程度で、匿名での電話も可能。必要に応じて面談での相談予約もすることができます。

 

東京弁護士会所定の研修や経験年数をクリアした弁護士が担当するシステムになっており、私も相談担当者として何回も出動しています。

 

この制度、利用者からすると便利なようで、ひっきりなしに相談の電話がかかってきます。

だいたい2時間くらいの枠なのですが、電話で話しているか、相談結果をまとめているかで、休み時間はほとんどありません。

大盛況ということで良いことなのですが、電話相談の使い方がもったないな、と思うケースがたまにあります。

 

よくある例が、インターネットの質問サイトのような使い方をしてしまうケース。

「姉と私が相続人で、姉は父親から500万円もらっていたんだけど、これは特別受益ってことでいいんですよね?」とか。

 

回答は、「場合によります」としか答えようがありません。

被相続人や相続人の年齢、職業、資産状況、相続人への贈与の状況、そもそも贈与の証拠があるのか、証拠(と相談者が認識しているもの)があるとして果たしてそれが裁判所で有効に使えるものなのか、など、さまざまな事情をうかがわなければ、判断はできないのです。

 

電話相談という簡易な手段であっても、面倒でも一から事情を説明していただかないと正確な回答はできませんし、そうなると、電話での法律相談自体、そもそも難しいというケースも多いです。

 

ですので、電話相談はあくまでも、そもそも弁護士に相談すべきケースなのかを把握するためのツールとして考え、具体的には直接弁護士と面談して相談されることをおすすめします。

 

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

2017.07.05更新

お昼休みは、家から持ってきたおにぎらずと、コンビニで買った惣菜、インスタントみそ汁を準備して、デスクで手早く食事をとることが多いです。食事の合間に、ネットサーフィンをすることも多いんですが、こんな記事がありました。

 

「有名人の不倫醜聞の影響で慰謝料の相場が下がっている!?」(NEWSポストセブン)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170705-00000013-pseven-life

 

なかなか目をひくタイトルですね。

記事の内容はさておき、そもそも日本の慰謝料は低いのです。

芸能ニュースか何かでよく目につく、海外セレブの慰謝料やらなんやらは、お伽噺と言ってもいいレベル。

どんなに高くても慰謝料300万円というのが、法曹界のおおかたの共通認識ではないでしょうか。

 

1年間ほどかけて離婚訴訟で慰謝料を請求し、訴訟のなかで弁護士との打ち合わせ、書面作成、尋問の練習、法廷への出廷などなど、数えきれない時間をかけて慰謝料を手にしても、時給はマックのバイト以下、なんてことも珍しくもなんともありません。

 

そして私はあまり、こと不倫慰謝料に関しては、「相場」という言葉は使いたくありません。

交通事故など、ある程度客観的資料(赤本など)で基準があるものであればともかく、不倫慰謝料は気持ちの問題です。

結婚期間が何年で、どのくらい不倫していて、という相関式で数字がはじきだされるものではありません。

ましてや、訴訟になれば決めるのは裁判官、人間ですから。

 

さらにさらに、往々にして、不倫関係の当事者みんなに言えることでしょうが、訴訟にはしたくないというのが人情。

公開の法廷で聞かれたくないことあれやこれや聞かれるわけですから、当然です。

となると、ますます「相場」なんてものはなくなります。

 

決定打になるのは「どれだけ守るものがあるか」にかかっていると思っています。

訴訟になり、不倫が公知となることで知られては困る対象がどれだけいるか。夫、妻、親、子ども、職場、近所の人(後2者は訴訟=即広まるというわけではないでしょうが)etc。

慰謝料請求を受けた側が、既婚者で、お堅いお仕事で職場にも家族にも不倫の事実を知られては困る、ということになれば、高額な慰謝料を請求されても訴訟を避けるために応じざるを得ないことになるでしょう。

 

なので、慰謝料は「相場」を語れるものではない、と思うわけです。

投稿者: 港区西新橋の弁護士 吉利 浩美

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